【あだち銭湯のススメ】第11回 「大和湯」

  • 2019年8月15日
  • 2022年1月25日

段々と気温の低くなる日が増えてきました。そんな日は、じっくり銭湯でからだを温めるのはいかがですか?。今回は、「銭湯は熱い」という人のために、お湯がぬるめの銭湯「大和湯」をご紹介。

大和湯

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大和湯

北千住駅東口を出てひたすら真っ直ぐ。学園通り商店街を抜け、道幅の狭いレトロな雰囲気漂う柳原商店街へ。
さらに進んでいくと、高い煙突が見えてきます。

ゆるくカーブした道沿いに現れたのは、昔ながらの宮造りの瓦屋根。
曲線が美しい唐破風の下には鶴の懸魚(彫刻)、その下には「大和湯」の堂々たる板看板が掲げられています。銭湯は暖簾にしか店名を入れていないところが多いので、珍しいかもしれませんね。
玄関正面には生け花。そう、思わず「玄関」と言いたくなる和の風情がある入口なのです。

フロントもまるで温泉旅館のような、しっとりと落ち着いた佇まい。
欄間や壁紙まで、和のテイストが随所に施されています。

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立派な玄関には看板が掲げられています。
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和モダンな玄関
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落ち着いた雰囲気のフロント

まるで温泉旅館のような銭湯

入ると朗らかに出迎えてくれるのが、女将の森山悦子さんと泰好さん。

大和湯は悦子さんの曽祖父が上野で営んでいた銭湯を畳んで、昭和7年に買い取って始めたのだそう。
「買い取った時から『大和湯』だったので、名前の由来はわからないんですよ」と悦子さん。
祖母、母と受け継がれ、悦子さんで4代目。ご主人の泰好さんと二人三脚で営んでいます。

「近所の人が一泊旅行しに来ている気分になるような」温泉旅館をイメージして、5年前に大々的にリニューアル。
以来、若い層や女性のお客さんも増え、土日はファミリー層や、近くの荒川土手で運動している若者、マラソンランナーなどで賑わっています。

和モダンで統一されたオシャレな内装ですが、実は建物自体は当時のままで、純和風の外観は変わっていないそうです。
改装時に大工さんから見せてもらったという立派な梁が、今もしっかり建物を支えています。

店内の照明は、どれも心を和ませてくれるオレンジ色のやさしい光。「白い電灯を一つも使っていないんですよ」という女将の言葉に、こだわりが感じられます。

脱衣場にはシックなダークトーンのロッカーと、湯上りに水気を気にせず腰掛けられる木製の縁台を配置。

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脱衣所

ジェットバスや日替わり湯など、人気のお風呂を用意

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浴槽

浴室ももちろん、トーンを落とした色彩と照明で落ち着きます。

イスは高めのものを使用。お年寄りに負担のかからない配慮がされています。

シャワーヘッドは細かな水粒のシャワー仕様と水量の多いヘッドスパ仕様の2種類。
ヘッドを回転させれば切り替えられるので、お好みでどうぞ。

お風呂はジェットバス、座風呂、露天風呂の3種類。ジェットバスは手摺りに掴まっていないと流されるかも?というぐらい水流が強く、マッサージ効果抜群。お客さんに喜ばれているそうです。

井戸水を薪とガスを使って沸かしたお湯は、肌触りのやわらかさが特徴。
42℃(露天は40℃)とぬるめなので、ゆっくり浸かれます。

露天は毎日通っても楽しい日替わりの湯。夏はマンゴー、メロン、アサイーなどの果実シリーズをはじめ、ビール、ソフトクリームなどのおいしそうなものや、南国イメージのハイビスカスも。よもぎ、ひのきなどもあり、何の湯かはその日のお楽しみ。

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洗い場
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露天風呂
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露天風呂では日替わりでバラエティにとんだかわり湯を実施

お風呂上りには、定番のコーヒー牛乳?それとも・・・?

 

さっぱりした後は、ロビーで一休み。高い天井の下、解放感を満喫しながら、水分補給もお忘れなく。

コーヒー牛乳など銭湯定番のドリンクのほか、珍しい瓶コーラもあります。

フロントでは女性に嬉しい使い切りの化粧品、乳液、クレンジング、髪ゴムなども販売しているので、忘れてしまっても、手ぶらでも安心。カラフルなバスタオルも人気です。

<<利用のポイント>>

●フロント式
●お風呂の種類=ジェット、座風呂、露天風呂(日替わり湯)、立ちシャワー
●備え付け
・浴室=ボディソープ、リンスインシャンプー(無料)
・脱衣場=ハンディドライヤー
●貸出
・フェイスタオル(無料)
●販売=バスタオル350円、使い切りの化粧品、乳液、クレンジング(各50円)、ミニシャンプー、リンス、ボディソープ、ナイロンフレッシャー他

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「大和湯」
■住所:足立区柳原2-43-1
■電話番号:03-3881-6029
■営業時間:午後3時30分(日曜のみ午後2時)~午前0時(最終入場は午後11時30分まで)
■定休日:水曜日
■交通:「北千住駅」東口から徒歩10分

銭湯豆知識【宮造り銭湯】

 お寺や神社のような「宮造り」の銭湯は、東京やその周辺のみで多く見られるもので、地方にはほとんどありません。
関東大震災(大正12年)で建物が焼失した墨田区で、宮大工の技術を持っていた棟梁が、たくさんのお客さんに来てもらおうとその技術を生かした銭湯を建築したからなのだとか。

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