【あだち銭湯のすすめ】湯処じんのび
- 2020年4月1日
- 2022年1月25日
露天風呂や温泉でほっこりした後、猫とまったりできたら…と想像しただけで、和んできます。そんな2大癒されアイテムがそろっている銭湯をご紹介します。
ゆっくり、のんびり、湯処じんのび
猫カフェならぬ、猫のいる銭湯として、度々テレビでも紹介されている「湯処じんのび」はビル型銭湯。
1階はコインランドリーと駐車場、2階が銭湯、3階がカラオケBOXで、地元の人たちの憩いの場として親しまれています。
創業は昭和36年。
今の建物になったのは21年前。2代目のご主人・田中紀代和さん、女将の花子さん、3代目を継ぐ匠さん、妹の商代さんの家族4人で切り盛りしています。
「じんのび」とはご主人の出身地、石川県能登の方言で「ゆっくり、のんびり、くつろぎ」の意味だそうです。
猫のいる銭湯
階段かエレベーターで2階に上がったら、そこが銭湯の入口。
入浴料は券売機方式なので、券を購入したらフロントへ。と、そこには、猫好きの心をくすぐる光景が。
カウンターの上にズラリと並んでいるのは、猫グッズの数々。
商代さんが行く先々で買ったものを飾っています。
広々としたロビーと奥の休憩室には、いくつものテーブルセット。
湯上りにゆっくりくつろげます。
ご主人お手製の電車の模型や、文字盤が逆回りの壁掛け時計など、遊び心があちこちにあります。
そんなロビーをするりと動く小さな影。
猫さんのお出迎えです。飼っている8匹のうちお店に出ているのは3匹で、全て保護猫とか。
1歳の黒猫「のりまき」ちゃん(お客さん命名)は、隣の公園で保護した時は両目が開いていなかったそうですが、大切に育てられて今はすっかりおてんば盛り。
床の上でじゃれている姿を、立ち止まって見守るお客さんも笑顔です。
「入浴時間より猫と遊んでいる時間の方が長い人もいますよ」と女将さん。
雑誌「猫びより」にも紹介され、それを見て足立区外からわざわざ訪れたお客さんもいたそうです。
猫さんたちは窓際の専用ベッドでのんびり丸くなっていたり、ロビーで遊んでいたり自由気まま。
かまってもらえる(?)かどうかは、彼(女)らの気分次第のようです。
時を忘れる心地よさ
お風呂は「東の湯」「西の湯」で、男女1週間の交替制。
清潔感のある脱衣場には、ドリンクの自販機。
ドライヤーは無料で使えて、持ち込みもOKなのがうれしいですね。
浴室は広く、入ってすぐのところに、サウナ室(別料金)。
中にテレビがあるので飽きずにじっくり汗をかいた後は、冷たい水風呂(18℃くらい)でリフレッシュできます。
お風呂は二股カルシウム温泉、電気風呂、メルヘンバス。
どの浴槽もゆったり浸かれます。
二股カルシウム温泉は、北海道の二股温泉の石灰湯華を使用した人工温泉。
二股温泉は世界で2カ所しかない泉質で、あせも、冷え性、腰痛、神経痛、リウマチなど様々な効能があると言われています。
湯船の中には石造りの椅子があるので、ゆっくり半身浴するのも良さそう。
メルヘンバスは、かわいいおもちゃがいっぱい。
西の湯には、なんとお湯の中にカラフルなハウスが。
家のお風呂では体験できない探検気分が味わえるので、子どもはもちろん大人にも人気です。
人気の露天風呂は、西の湯の浴室内の階段を上がったところにあります。
その名も「時忘れの湯」。
大きく広がる空の下で、お湯に浸かる解放感は格別! 隣が公園で高い建物が建つ心配はないそう。
昼間の青空も見事ですが、雪が降った日は、雪見風呂を楽しみたい人から問い合わせがあるそうです。
散歩風呂は長さ約6・5mの細長い浴槽で、水流付き。底に石が埋め込まれているので、足つぼの刺激に。
東の湯には、浴室内に露天風の「忘我の湯」と散歩湯があります。
「普通の人が銭湯にイメージするものは全部あります」とご主人。
お客さんに喜んでもらいたいという心意気と愛情が、じんのびの隅々に溢れています。
<<利用のポイント>>
●フロント式
●お風呂の種類=二股温泉、電気風呂、メルヘンバス®、水風呂、散歩風呂®、露天風呂(男女週ごとに入れ替え)、サウナ(別料金/入浴料込み800円)
●備え付け
・浴室=ボディソープ、リンスインシャンプー(無料)
・脱衣場=ハンディドライヤー(無料)、ドライヤー持ち込み可
●販売
タオル、使い切りの石鹸、シャンプー、リンスなど
「湯処じんのび」
■住所:足立区西新井6‐43‐4
■電話番号:03-3890-8417
■営業時間:14時~24時(日曜日は12時~)
■定休日:月曜日
■交通:東武大師線「大師前」駅より徒歩8分、または日暮里・舎人ライナー「西新井大師西」駅下車、徒歩8分
銭湯豆知識【北陸出身の経営者が多いのは】
東京の初代銭湯経営者には、石川、富山、新潟県の出身者が多くいます。
江戸時代から雪の積もる農閑期に都会に出稼ぎに出る人が多く、同郷の知人や親せきを呼び寄せました。
銭湯の仕事は重労働ですが、北陸出身者は持ち前の粘り強さで頑張り、独立開業する人が増えていきました。
(参考:銭湯検定/社団法人 日本銭湯文化協会)