花火写真家 金武 武(かねたけ たけし)氏 スペシャルインタビュー「足立の花火の魅力&花火撮影のコツ」
- 2018年6月19日
- 2022年1月11日
平成30年7月21日(土)開催の「第40回足立の花火」。
今回は、足立の花火をより楽しむために、花火写真家 金武 武(かねたけ たけし)氏に、足立の花火の魅力を語っていただきました。
さらに、会場でスマホで花火をきれいに撮影するためのプチテクニックも伝授!
足立の花火を、見て、撮って楽しもう♪
足立の花火の魅力
「足立の花火」第40回目の開催、おめでとうございます。
花火好きな私にとって7月は梅雨明けが待ち遠しい季節です。
梅雨が明けると早々に開催されるのが「足立の花火」。
私の中では「梅雨が明けたら足立の花火がやってくる!」そんなイメージもあり楽しみで大好きな花火大会のひとつです。
撮影する際の花火と撮影位置の距離感も私の好みで気に入っている花火大会です。
「足立の花火」で打ち上がる花火のサイズは最大4号玉。
4号玉は上空で開いた時の直径が約120~130mほどで、打上花火の中では中型の大きさです。
しかし、北千住側・西新井側、どちらの観覧エリアでも至近距離で花火が楽しめるため、花火の迫力を充分に感じられます。
花火の打上筒は河原と荒川に浮かべた打上台船に設置され、その幅は300mにも渡ります。
この幅でワイドスターマインが打ち上がると観覧席では夜空全体が花火で覆い尽くされる感覚になるでしょう。
「足立の花火」を担当される煙火業者さんは石川県の北陸火工さんです。
昨年に引き続き2年目になります。
今年は第40回ということもありますのでかなり期待をしています。
二重のナイアガラ花火などの新企画にワクワクが止まりません。
フィナーレは「足立の花火」恒例の音楽「威風堂々」とともに盛大に打ち上がる豪華で大迫力の花火が観客の心に響き渡るでしょう。
花火大会の楽しみの中には、「食」もあります。
最寄り駅から会場までの道のりには地元の商店が数多く立ち並んでいます。
せっかく「足立の花火」にいらしたのなら、地元の味もぜひ堪能していただきたいところです。
金武氏が教える!スマホで花火撮影のコツ
花火の種類を選ぶ
スマホで花火を撮影するならば花火の種類を選ぶことも大切です。
スマホ撮影には「冠菊花火(かむろぎくはなび)」が適していると感じています。
冠菊花火とは、上空で大きく広がり光跡が地上付近まで垂れさがるタイプの花火で、滞空時間が長いのでスマホのカメラ機能でもピントも露出(明るさ)も合わせやすいのです。
因みに点滅菊花火、牡丹花火、花雷などの花火は光跡も滞空時間も短いためスマホで撮影するとピンぼけや露出オーバーになりがちです。
冠菊花火には錦冠菊と銀冠菊の2種類があり、どちらの冠菊もスマホで撮影可能です。
「柳」と呼ばれる事もありますが一般的に「柳花火」は別の種類で冠菊花火ほど大きく広がりませんのでスマホでの撮影は難しいです。大きく広がる「冠菊花火」がオススメです。
冠菊花火は一発でも撮影可能ですが「スターマイン」ならより撮りやすいでしょう。
花火の打上方法にはいくつかの種類があります。
一発ずつ打ち上げる方法を「単打」「単発打上」と呼び、テンポ良く次々打ち上げる方法を「早打」と呼びます。小さい花火から大きな花火まで短時間に沢山上げる方法を「スターマイン」と言います。冠菊花火のスターマインなら夜空に光跡がいつまでも重なっているのでピントも露出も合わせやすいのです。
花火の撮影はどんな花火がいつ上がってくるのか知っていた方が有利です。
花火プログラムを見ながら冠菊花火が上がってくるタイミングを狙いましょう。
冠菊のスターマインはエンディングで打ち上がることが多いです。
スマホの構え方
手を伸ばして撮影するとブレやすくなります。スマホは両手で持って脇を締めて構えましょう。
これでかなりブレが防げますが、より一層ブレを防ぐためには次の方法もあります。
椅子に座って背もたれに寄り掛かり身体を固定する。
椅子の座面に片足を乗せ膝の上に肘を乗せてスマホを構える。
これで縦ブレはかなり抑えられるでしょう。
事前に設定を確認
自動ロックやスリープ機能がONになっていると撮影しようと思った時には「シャッターが押せない!」となってしまいます。
シャッターがいつでも押せるように自動ロックやスリープ機能はOFFにしておきましょう。
おわりに
足立区観光交流協会「あだち街フォトギャラリー」では写真の募集をしています。
みなさんが撮影した写真で足立の“今”を魅せるフォトギャラリーだそうです。
キレイな花火の写真が撮れたら応募してみてはいかがでしょうか?
※あだち街フォトギャラリーは、令和2年3月31日(火)をもちまして終了いたしました。
私もそうですが、花火撮影に夢中になっていると、せっかく目の前で上がっている花火を、肉眼で楽しんでいない事に気が付く時があります。
数枚良い写真が撮れたと感じたらスマホを置いて花火を見る事も、忘れないで欲しいなと思います。
花火の音、色、形など、ぜひ体全体で感じてください。
花火写真家 金武 武(かねたけ たけし)氏プロフィール
1963年神奈川県横浜市生まれ。
写真の技術を独学で学び30歳で写真家として独立。
打上げ花火を独自の手法で撮り続けている。
写真展、イベント、雑誌等、メディアでの発表を続け、
花火の解説や講演会、花火撮影ツアーの依頼が増えている。
2016年には煙火打揚従事者の資格を取得。
・博報堂WEBサイト「ONESTORY」 コラム連載中
(http://www.onestory-media.jp/post/?id=694)
・ビジュアルブック「眺望絶佳の打ち上げ花火」発売中
(http://www.genkosha.co.jp/gmook/?p=13751)
・ムック本「超 花火撮影術」 発売中(電子書籍も有)
(http://www.astroarts.co.jp/kachoufugetsu-fun/products/hanabi/index-j.shtml)