「あだち銭湯のススメ」 第7回 温泉気分を味わえるバリアフリーな銭湯「大平湯」
- 2018年5月2日
- 2022年1月25日
心も体もリラックスできるだけでなく、筋力維持に効果のある歩行湯がある銭湯、大平湯をご紹介します。
大平湯
創業は昭和40年で、平成13年にリニューアル。
デザインしたのは、建築家の今井健太郎さんです。
最近ブームのデザイナーズ銭湯を数々手掛けていますが、実は大平湯がその先駆けなのだそうです。
入口横には、「夢」と大きく染め抜かれた日除け幕。
その横の女湯のイラストにも「夢銭湯」の文字があり、期待感が高まります。
自動ドアを入ると、段差がなくスッキリとした通路が迎えてくれます。
「お年寄りや足の弱い人が来る銭湯は、段差をなくさないと」と、ご主人の吉田建典さんがバリアフリー化を徹底したそうで、その心遣いはロビー、脱衣場、浴室まで行き届いています。
温泉気分を味わえる湯船と、都内最大級の「歩行湯」を楽しめる!
浴槽も特徴的。
銭湯の浴槽は家と同じように跨いで入る形が一般的ですが、大平湯の湯船は床面より低くなっていて、まるで温泉のようなのです。
お湯に浸かっている人の視線に配慮したもので、「温泉気分が味わえるのは、これしかない」と設計からこだわったそうです。「遠くの温泉より近くの銭湯」と吉田さん。
銭湯とお客さんへの愛情が伝わってきます。
女湯だけにあるのが「歩行湯」。
長さ15m、幅3m、深さ90㎝もあり、これほど大きな歩行湯は都内の銭湯ではここだけだそうです。
浮力と抵抗がある水中を歩くことにより無理なく筋力をつけることができるので、足の機能を高めたい人にオススメ。
女将・清子さんが足を悪くした時に、スイミングクラブで水中歩行を始めたところ痛みがとれて歩けるようになった経験から、考案したそうです。
月に1度(第4水曜、19時~21時)、インストラクターによる体操教室も開かれていて、正しい歩き方などを教えてもらえます。
設備だけでなく、井戸水を沸かしたお湯も好評です。
温度を上げ過ぎて粒子を壊さないよう手間をかけて調節しているので、肌当たりが柔らかいと喜ばれています。
湯上りにはカウンターでドリンクや食事を
湯上りには、広いロビーでひと休み。
木目のつややかな床と、大きくどっしりとした木製のテーブルは、湯上りにゆったりくつろぐのに最適。
広いだけでなく、なんと本格的なキッチンカウンターがあるのです。
メニューはソフトドリンクやアルコール、かき氷、おつまみからしっかりとした食事まで種類が充実。
ご主人自らが目の前で腕を振るってくれます。イチオシは1日煮込んだ自慢のカレー。
キッチンの営業時間は不確定ですが、料理を食べたい人はご主人が在店している夕方以降にどうぞ。
利用のポイント
●お風呂の種類=ジェット、バイブラ、座風呂、歩湯(女湯)、露天風呂(男湯)、立ちシャワー
●備え付け ・浴室=ボディソープ、リンスインシャンプー(無料) ・脱衣場=ドライヤー(3分20円)、マッサージチェア(3分10円) ・ロビー=血圧計(無料)
●貸しタオル(大小セット)150円
●販売物
・手ぶらセット260円(タオル、シャンプー、リンス、髭剃り、歯ブラシ) その他、石鹸、髭剃り、歯ブラシなど
「大平湯」
■住所:足立区青井6-21-3
■電話番号:03-3887-4564
■営業時間:午後2時30分~午前0時※日曜日は午前8時~正午(朝湯)/午後3時~午前0時
■定休日:月曜日(祝日の場合、翌火曜日)
■交通:つくばエクスプレス「青井」駅から徒歩9分、または東武スカイツリーライン「五反野」駅からバス「青井6丁目」下車、徒歩3分
銭湯豆知識【カラン】
洗い場の湯・水が出る「カラン」が登場したのは昭和初期。
それまでは番頭さんに桶に湯を入れて貰うか、上がり湯を自分で汲んでいました。
語源はオランダ語の鶴=クラーン。
長い管が鶴の首から頭にかけての形に似ていたことからついたそうです。